Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Even, J.*; Yakushev, A.*; Dllmann, Ch. E.*; 羽場 宏光*; 浅井 雅人; 佐藤 哲也; Brand, H.*; Di Nitto, A.*; Eichler, R.*; Fan, F. L.*; et al.
Science, 345(6203), p.1491 - 1493, 2014/09
被引用回数:63 パーセンタイル:83.28(Multidisciplinary Sciences)超重元素の新しい錯体、106番元素シーボーギウム(Sg)のカルボニル錯体の合成に初めて成功し、その吸着特性を低温熱クロマトグラフィー・線測定装置COMPACTを用いて調べた。理化学研究所の気体充填型反跳イオン分離装置GARISを用いて合成及び前段分離された短寿命核反応生成物Sgを、ヘリウムと一酸化炭素の混合ガス中に打ち込み、カルボニル錯体を合成した。生成したカルボニル錯体のうち揮発性の高いもののみをガス気流によってCOMPACTへと搬送し、低温熱クロマトグラフィー測定を行った。検出されたSgカルボニル錯体の吸着エンタルピーは-50kJ/molと求まり、この高い揮発性からこの錯体は6配位のSg(CO)であると結論した。これまで超アクチノイド元素では単純な無機錯体しか合成されたことがなく、本研究は超アクチノイド元素における初めての有機金属錯体合成の成果である。
大道 敏彦*; 荒井 康夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.156 - 159, 2002/11
岩塩型アクチノイド化合物(MX,M:アクチノイド,X:メタロイド)の幾つかの熱力学及び磁気的性質を原子間距離を基に類推した。MXの結合エネルギーの報告値は、二,三の例外を除いてポーリングの式を用いて求めた結合電子密度と比例関係を示した。一方、全価電子から結合電子を除いた電子数と有効磁気モーメントの報告値との関係は、L-Sカップリング及びフントの法則から計算したものと良く一致したことから、この電子数は局在する5f電子数に相当するものと考えられる。これらの結果を用いて、MX中のアクチノイド原子の酸化状態や磁気エントロピーの寄与等についても議論した。
佐藤 剛*; 山崎 哲*; 山下 利之; 松井 恒雄*; 長崎 正雅*
Journal of Nuclear Materials, 294(1-2), p.135 - 140, 2001/04
被引用回数:2 パーセンタイル:19.66(Materials Science, Multidisciplinary)プルトニウムを添加したペロブスカイト型構造のCaTiOの熱的安定性を評価するため、x=0,0.2の試料のエンタルピーを室温から1180Kまでの範囲でカルベ型熱量計を用い投下法により測定した。得られたエンタルピー値には不連続面はみられず相変態がないことから、このエンタルピー値を温度の多項式でフィッティングし、これを温度で微分することにより定圧比熱容量Cpを求めた。(CaPu)TiOの熱膨張データと熱力学的関係式を用いて推定したCpと実測Cpには良い相関があることから、本測定Cpは信頼性が高いと考えられる。求めたCpと自由エネルギー関数を用い、(CaPu)TiOとCaTiOのギッブズモル生成自由エネルギーを算定した。
長崎 晋也*
JNC TJ8400 2000-004, 32 Pages, 2000/02
NpO2+のイライトへの吸着平衡ならびに吸着速度をpH=6において測定した。測定した吸着データはLangmuir型ではなく、Langmuir-Freundlich型の吸着等温線でフィッティングできることがわかった。フィッティングパラメータである不均質係数は0.89+-0.05であり、affinity spectraの半値幅(HWHM)はlog単位で0.19であった。このことは、本研究で使用したイライトの表面はNpO2+の吸着に対して比較的不均質性が弱いことを示している。またkinetic spectraから、NpO2+はイライトの外表面に吸着するが、層間には吸着しないことがわかった。kinetic spectraのHWHMは0.18logであった。HWHMがaffinity spectraと同程度であったことは、同じ吸着サイトの影響を受けている可能性を示唆するものである。平度であったことは、同じ吸着サイトの影響を受けている可能性を示唆するものである。平均の吸着速度の温度依存性から、吸着の見かけのエンタルピーとエントロピーはそれぞれ、37+-3kj/molと-69+-7j/mol・Kと評価された。このエンタルピーの値は、吸着プロセスがイライト表面の境膜における拡散律速であることを示している。また、Na型モンモリロナイトへのNpO2+とNp(V)炭酸錯体(主にNpO2CO3-)の吸着平衡と吸着速度についても、同様にaffinity spectraとkinetic spectraを適用して評価を行った。
馬場 信一; 鈴木 世志夫*; 石原 正博; 林 君夫
第21回日本熱物性シンポジウム講演論文集, p.360 - 362, 2000/00
HTTRを用いた照射試験に必要な温度情報を得る手段として、Bi-Sb合金の融解・凝固反応を利用した方法について実験と検討を行った。その結果、次に示すようなことが明らかとなった。(1)7組成のBi-Sb合金を溶解製造した直後の金属組織は、高Bi組成ではデンドライト相が、高Sb組成では粒界腐食相が表出し、中間組成ではウィドマンステッテン組織が観察された。(2)昇温時その場観察では、固相線温度付近から黒色丸形状の局部融解相が現出し、液相線温度になるとほぼ全表面に拡大した。(3)試料表面の成分元素分析の結果、高Bi合金ではSbがデンドライト相の樹幹を形成し、その後Biがこの間を埋めていく分布模様が観察された。(4)加熱による試料形状の変化は、全組成試料において明瞭に融解・凝固反応の形跡を確認できた。(5)DSCピーク形状と固相線/液相線との関係では、微分曲線(DDSC)のピークが液相線温度(融点)と比較的よく一致することがわかった。
小田 治恵; Arthur, R. C,*; 笹本 広; 柴田 雅博; 油井 三和; 根山 敦史*
JNC TN8400 99-079, 287 Pages, 1999/09
本報告書では、高レベル放射性廃棄物地層処分の研究開発をサポートする地球化学計算のための2種類の熱力学データベースについて報告する。一つは、SPRONS.JNCであり、この熱力学データベースは、SUPCRTモデル・ソフトウェアの中で考慮されている熱力学的な関係式を基にしており、SUPCRTソフトウェアを用いることで、広範囲にわたる圧力・温度条件(圧力:15000 bars,温度:01000)下での鉱物、ガスおよび水溶液化学種の標準モル熱力学特性・部分モル熱力学特性を計算することができる。SPRONS.JNCは、195種類の鉱物・16種類のガスについて、25、1barの条件下での生成標準モルギブス自由エネルギー、生成標準モルエンタルピー、標準モルエントロピーおよび体積に関するデータを含むと共に、Maier-Kelly式による熱容量の温度依存式を適用した場合の各係数についても整備している。またSPRONS.JNCは、1147種類におよぶ無機・有機イオンや錯体について、25、1barの条件下での生成標準モルギブス自由エネルギー、生成標準モルエンタルピー、標準部分モルエントロピーおよびHelgeson-Kirkham-Flowers(HKF)式による温度依存に係わる係数も整備している。SPRONS.JNCは、1991年以降に公開された新たなデータや改訂されたデータを取り入れたものであり、他の同様な熱力学データベースの拡張版である。もう一つのデータベースは、PHREEQE.JNCであり、これは、地球化学計算コードである「PHREEQE」で用いることができる熱力学データベースである。PHREEQE.JNCは、鉱物の溶解反応、ガスの溶解反応、水溶液化学種を含む反応、酸化還元反応について、25、1barの条件下での平衡定数を算出できる様に反応エンタルピーあるいは平衡定数(log K)の温度依存に係わる各係数についても整備している。PHREEQE.JNCに含まれる平衡定数、反応エンタルピーおよび平衡定数の温度依存に係わる係数の全ては、SUPCRTソフトウェアおよびSPRONS.JNCを用いて計算されているので、PHREEQE.JNCとSPRONS.JNCは、同一の熱力学データベースである。またこれらの熱力学データベースに含まれる全てのデータは、基本的な熱力学の定義やSUP
中村 彰夫
Zeitschrift fr Physikalische Chemie, 207, p.223 - 243, 1998/00
固相起電力法(Ni,NiO|安定化ジルコニア|UGdyO)により表記のウラン-ガドリニア固溶体系(y=0.05,0.10,0.20,0.30)の酸素ポテンシャル(g(D)=h(O)-TS(O))を0.0025≦x≦0.18,及び500≦T≦1100Cの範囲で正確に決定した。得られたg(O)データに統計処理を行うことにより、その酸素の部分モルエンタルピー及びエントロピー(h(O),S(O))を、温度T(K),不定比組成(x)及びGd含有量(y)の関数として正確に表す熱力学的表式を導いた。その結果、本系のanti-g(O),h(O),S(O)が、すべて各々のx,Tを含む単一のマスター・カーブで表されることが明らかにされた(その相対的変化のみがyに比例して変化する)。他の温度及びy領域をカバーする文献データとの比較から、ここで導いた表式がT=1500C及びy~0.6の範囲まで適用可能なことがわかった。
中島 邦久; 荒井 康夫; 鈴木 康文; 山脇 道夫*
Journal of Nuclear Materials, 248, p.233 - 237, 1997/00
被引用回数:4 パーセンタイル:37.13(Materials Science, Multidisciplinary)核分裂生成物を含有するPu化合物の熱力学データは、高温、かつ高温度勾配環境下におかれるMOX燃料のふるまいを予測する上で重要である。ここでは、主要な核分裂生成物の一つであるSrとのペロブスカイト型複合酸化物SrPuOの熱力学データを取得するため、高温質量分析計を用いてその蒸発挙動を調べた。Sr分圧値は白金製クヌーセンセルを用いた場合よりもグラファイト製セルを用いた時の方が高くなることから、SrPuOの蒸発挙動には系内の酸素ポテンシャルが影響すると考えられた。また、SrPuOの自由エネルギー関数を推定し、第3法則処理によるSrPuOの標準生成エンタルピーを導出した。
石山 新太郎; 衛藤 基邦
Material Chemistry 96: Proc. of Int. Symp. on Material Chemistry in Nuclear Environment, 0, p.595 - 607, 1996/00
水素貯蔵型高温化学ヒートポンプの開発において、金属間化合物は、水素貯蔵媒体及び熱源として重要であり、特に300C以上で高性能な材料は世界的にその開発例をみない。本研究では、300-1000Cで作動するTi系及び300-500Cで作動するCa系金属間化合物を試作し、P-C-T特性や反応速度及び繰返し利用する際の劣化特性試験を行い、それぞれ実用化のための特性データを取得したのでこれを報告する。
中村 彰夫
Journal of Nuclear Materials, 201, p.17 - 26, 1993/00
被引用回数:18 パーセンタイル:83.19(Materials Science, Multidisciplinary)定比組成から正負のずれを示すアクチノイド及び関連フルオライト酸化物MOの熱力学的挙動の全体像を明らかにするために、先に提案した酸素過剰型UOの熱力学モデルを拡張することにより、酸素不足型のPuO(及びAmO,CeO)の熱力学モデルの構築を行った。その結果、これらの系に特徴的な酸素の部分モルエンタルピーh(O)の強いx依存性が、xの正負によらず、長距離クーロン力の変化によって生じると考えられる組成xに依存する欠陥生成エンタルピー項とより局所的な複合欠陥の生成からの寄与を含む項の両者を考慮に入れることにより、定量的に説明できることが示された。また、酸素過剰型UOと酸素不足型(Pu,Ce,Am)Oの欠陥構造の類似性と相違点についても、本結果により定量的議論を行った。
藤野 威男; 大内 金二; 茂住 泰寛*; 上田 隆三*; 田川 博章*
Journal of Nuclear Materials, 174, p.92 - 101, 1990/00
被引用回数:25 パーセンタイル:89.09(Materials Science, Multidisciplinary)蛍石型相固溶体EuUOは真空中、1400Cでy=0.51まで単相で存在する。y=0.51と0.80の間では蛍石型相と菱面体相が2相共存する。菱面体相はy=0.8~0.9で単相で存在する。不定比EuUOの結晶構造と原子パラメータは定比のEuUOとほぼ同一である。EuUO(y=0.1および0.3)の酸素ポテンシャルの測定値は他の希土類元素が固溶した固溶体よりも大幅に高い。また、酸素ポテンシャルの急変位置がハイポ側におれることがわかった。菱面体晶系Eu U O(x0)の酸素ポテンシャルも測定し、エンタルピー、エントロピーの比較検討を行った。
鈴木 康文; 塩沢 憲一; 半田 宗男
Journal of Nuclear Science and Technology, 21(8), p.608 - 613, 1984/00
被引用回数:1 パーセンタイル:19.16(Nuclear Science & Technology)固溶体、(U,W)Cの格子定数を測定することによって1,673Kから1,973Kの低温領域におけるUC中へのWの固溶度を測定した。固溶度は1,673Kで0.79a/o、1,973Kで2.06a/oであり、温度と共に増加した。溶解エンタルピーとしては8010kJ/molの値を得た。さらにEPMAを用いて炭化物中のWを定量したが、X線回折から得た結果とよい一致を示した。これからEPMAによる分析で炭化物燃料中の核分裂生成物を定量できる見通しを得た。
not registered
PNC TJ206 81-05, 124 Pages, 1981/02
HCDA後、溶融燃料が炉容器やガードベッセルを溶融貫通するような事故を仮定した場合、格納容器内の各部屋の温度、圧力等を解析することは安全上重要である。そのために、昭和53年度より、格納容器応答解析コード「CEDAN」を開発してきた。今回の研究は、つぎの3部からなる。1)CEDANコードの改修で、壁面への凝縮モデル等を追加した。2)解析コードのチェック・ランでSOFIREM2コードと比較計算を行った。3)原型炉を対象に、仮想的な炉心溶融貫通事故を模擬した計算をCEDANを用いて行った。今回の研究で、炉心溶融事故後、格納容器内での事故シーケンスを一通り理解することが出来た。しかし、事故シナリオや物理モデルに多くの不確定要因があるので、事故シーケンスを実際に支配しているのは何かを決めるため、パラメータ・サーベイを行う必要があると考えられる。
森本 恭一; 小笠原 誠洋*
no journal, ,
MOXの比熱は熱伝導率の評価や原子炉の過渡事象及び過酷事故の評価において重要となる熱物性値の一つである。本試験ではPuOとUOの影響が同程度に現れると考えられるPu含有率が約50%のMOX試料を用いて、エンタルピーの測定と比熱の評価を行った。試料はUとPu濃度をそれぞれ約50%に調整した硝酸溶液をマイクロ波脱硝で転換した粉末を用い、これを焼結してO/Mを2.00に調整したものである。この試料についてドロップカロリーメータを用いて2000K以上の高温領域でのエンタルピー測定を実施した。また、試料とタングステン製容器の反応を抑制するために測定ではレニウム製内容器を使用した。エンタルピーは温度に対し1900K辺りまでは一定の割合で上昇し、これ以上ではその上昇割合が大きくなった。これは比熱が1900K以上では上昇することを示す。
森本 恭一; 小笠原 誠洋*
no journal, ,
MOXの比熱は熱伝導率の評価や原子炉の過渡事象及び過酷事故の評価において重要となる熱物性値の一つである。本試験ではPuOとUOの影響が同程度に現れると考えられるPu含有率が約50%のMOX試料を用いて、エンタルピーの測定と比熱の評価を行った。試料はUとPu濃度をそれぞれ約50%に調整した硝酸溶液をマイクロ波脱硝で転換した粉末を用い、これを焼結してO/Mを2.00に調整したものである。この試料についてドロップカロリーメータを用いて2000K以上の高温領域でエンタルピー測定を実施した。また、試料とタングステン製容器の反応を抑制するために測定ではレニウム製内容器を使用した。エンタルピーは温度に対し1900K辺りまでは一定の割合で上昇し、これ以上ではその上昇割合が大きくなった。これは比熱が1900K以上では上昇することを示す。
森本 恭一; 小笠原 誠洋*
no journal, ,
MOXの比熱は熱伝導率の評価や原子炉の過渡事象及び過酷事故の評価において重要となる熱物性値の一つである。MOXの比熱はNeumann-Kopp則よりUOとPuOの比熱の組成平均から評価されるケースが多いが、PuOの比熱の測定データは少なく、特に高温領域の比熱の温度依存性については現在も議論されている。本試験ではPuOのエンタルピーの測定と比熱の評価を行った。試料はPuO粉末を焼結してO/Mを2.00に調整したものである。この試料についてドロップカロリーメータを用いて9802160Kの範囲でエンタルピー測定を実施した。また、試料とタングステン製容器の反応を抑制するために測定ではレニウム製内容器を使用した。エンタルピーは温度に対し1900K辺りまでは一定の割合で上昇し、これ以上ではその上昇割合が大きくなった。これは比熱が1900K以上では上昇することを示す。
佐藤 哲也
no journal, ,
オンライン同位体分離器JAEA-ISOLを使用して、強い相対論的効果の影響を受ける原子番号Z100の重い元素の化学的性質および原子の性質を調べた。表面電離イオン化法によりフェルミウム(Fm, Z=100)からローレンシウム(Lr, Z=103)までの重アクチニド元素の第一イオン化エネルギー(IP)を決定した。さらに真空クロマトグラフ法とISOL表面電離イオン源による表面イオン化を組み合わせた新しい手法により、Lrの吸着挙動を調べた。
大谷 怜; 佐藤 哲也; 青木 涼太*; 白井 香里*; 鈴木 颯人; 塚田 和明; 浅井 雅人; 伊藤 由太; 永目 諭一郎*; 阪間 稔*
no journal, ,
106番元素シーボーギウム(Sg)は、大きな原子番号に起因する強い相対論効果の寄与により、同族元素モリブデン(Mo)やタングステン(W)からの予想とは異なる性質をもつ可能性が示唆されている。先行研究において、石英表面におけるSgオキシ塩化物の吸着エンタルピー(SgOCl))は-98kJ/molと求められたが、誤差の大きな実験点から求められたために曖昧な結果となっている。本研究では、信頼性のあるSgオキシ塩化物の(SgOCl))測定のために、標的槽直結型等温ガスクロマトグラフ実験装置を用いて、Cfの自発核分裂で放出されるMoを対象にオフライン等温ガスクロマトグラフ実験をおこない、オンライン実験に向けた最適条件を求めるとともに、Moのオキシ塩化物の吸着エンタルピーの決定を試みた。
廣岡 瞬; 松本 卓; 小笠原 誠洋*; 加藤 正人
no journal, ,
酸化物燃料では温度上昇に伴い酸素欠陥及び電子欠陥の濃度が上昇し、比熱が上昇することが知られているが、特に高温領域では実験の困難さから文献の間で数値のばらつきが大きく、また、MOX燃料の報告例は極めて少ない。ドロップカロリメータを用いてUO, PuO及びMOX(Pu=0.46)に対して約2000Cまでのエンタルピー測定を行い、比熱を評価し報告してきた。今回新たにPu=0.18のMOXに対してエンタルピー測定 を行い、エンタルピーの温度微分により比熱を評価した。高温になるほどエンタルピーは上昇し、1850C以上で上昇の傾きに変化が観察された。過去の測定データを含めて比熱を比較評価した結果、今回取得したPu=0.18のMOXの比熱はPuOと同程度であった。いずれもエンタルピーの上昇に伴い比熱は上昇し、Pu=0.46のMOXにおいて最も低温から比熱が上昇する結果が得られた。これは、Pu=0.46のMOXにおいて最も低温から欠陥濃度が上昇していることが原因と考えられる。
森本 恭一; 渡部 雅; 加藤 正人
渡辺 博道*; 小無 健司*; 有田 裕二*
【課題】高温状態の試料の比熱とエンタルピー変化を、試料の物理的・化学的特性によらず、短時間で正確に測定することを可能にする比熱とエンタルピー変化の測定方法および測定装置を提供する。 【解決手段】本発明の比熱とエンタルピー変化の測定方法は、通電加熱により、試料の温度を昇温させる昇温段階と、前記試料の温度を保温する保温段階と、を交互に複数回繰り返して行い、全ての前記保温段階について、直近の前記保温段階との間のエンタルピー変化を求め、最初の保温段階の温度に対する各保温段階の温度におけるエンタルピー変化の温度関数を温度微分することにより、前記試料の比熱を求める。